アルミダイカスト金型・ヒートチェックへの肉盛溶接
製品名 | T-LASER |
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使用機種 | YW-200X |
ワーク情報 | SKD-61(HRC48焼入れ) |
ワイヤー情報 | MAS-1 φ0.3mm |
業種 | ダイカスト金型 |
用途 | 肉盛溶接 |
効果 | 品質向上コスト削減工数削減不良率低減 |
着眼点
全ての箇所においてTIG溶接で肉盛補修をしていたが、ヒートチェックを肉盛補修した場合に耐久性が悪く、すぐに割れやビードが剥離してしまうなどの問題があった。TIG溶接は熱入力が大きいので残留応力も大きくなり、低熱入力のレーザー溶接機に注目しテストすることになった。
改善点
TIG溶接での修理の場合は①開先加工②溶接③仕上げ加工となる。レーザー溶接はレーザー光のエネルギー密度を調整することで一般的なヒートチェックなら、レーザー光の空打ちで①の開先加工を行うことができるため、工数削減と開先加工による応力の蓄積を抑えることができる。肉盛量も最小限に調整できるため③の仕上げ加工の工数も大幅に削減できる。②の溶接時間はTIG溶接の方が短いが、①?③の肉盛補修にかかる全工程で考えると工数を削減できた。
加工上の要求事項
開先加工を削減したい。仕上げ加工を考えて肉盛量を最小限にしてほしい。
他への適用
修理案件のほとんどがヒートチェックの肉盛補修となるため、適用箇所は非常に多くなる。また溶損部やトーチが入らなくて対応出来なかったリブの底面・立ち壁など狭隘部も、レーザー溶接なら対応可能となる。
効果・メリット
TIG溶接での肉盛補修においては①②の工程で残留応力が多く蓄積してしまい、1000ショット程度でビード内に割れが発生し、2000ショットで母材とビードの際からクラックが発生しビードが剥離してしまっていた(再度肉盛補修の必要性あり)。レーザー溶接での肉盛補修においては、しっかりと合金化した上で低熱入力により残留応力を極めて少なく出来ているため、2000ショットでビード内に割れが発生したが4000ショット経過後も生産出来ている。溶接品質が向上したことで生産性向上と工数(コスト)削減となり、多大な効果が出ている。
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